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人は簡単には死なない(コロナ禍で自殺者は増えているのか)

「あまりにも受けにくく自死に追い込む生活保護」「特別定額給付金を配らないと死人が出る」とのたまったのは社会福祉士の藤田孝典です。以前のブログでも批判したのですが、大事なテーマなので再考します。果たして、コロナ禍で自殺者数は増えたのでしょうか。

2020年の自殺者数は20919人です。前年度比3.7%増です。確かに増えています。

しかし、1998年〜2011年にかけては自殺者数は3万人を超えています。むしろ、10年前からは大きく減少しています。藤田さんの言うような「死人」が増えている訳ではありません。

推測ですが、2000年代よりもセーフティーネットが機能しているのではないでしょうか。そして、精神科へのハードルが下がり、通院する方も増えたのでしょう。コロナ禍であっても多くの方はたくましく生きているのです。

「お金を配らないと人が死ぬ」「経済を回さないと人が死ぬ」と言うのは、数値を見ていないだけではなく、ある意味自殺を肯定している悪質な発言です。失業してお金がなくなっても大半の方は死なないのです。

藤田さんはTwitterで毎日のように「給付金」配れと発言しています。そりゃ誰だってあぶく銭は欲しいでしょう。私だって欲しいです。でもこれが正しい政策なのかはまた別の問題です。

自殺者数をさらに減らすのなら、これまでの対策をさらに発展させることです。生活保護制度をより手厚くする、精神科にかかることを勧める、休業補償や職業訓練を充実させる。また、うつ状態の人は脳内物質のセロトニンが減少しているので朝散歩などをして日光に当たることを推奨する。(自殺者が一番多い国はグリーンランド)。そうした地道な政策こそが大事です。

給付金を10万円国民全てに配ると約12兆円必要です。また、年に一度か二度配っても根本的な貧困の解消にはなりません。今、本当に必要なのは人間の生きる力を信じて、それをサポートすることです。人は簡単には死なないのです。