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誰からも理解されなくても、私は青葉真司被告の死刑には反対します。

京都アニメーション放火殺人事件。むごい事件であり、青葉真司被告には同情の余地はありません。これを大前提とした上で、私は青葉被告は無罪になるべきだったと強く思うのです。

マスコミの報道では青葉被告の生い立ちや事件を起こした背景はほとんど語られてはいません。京都地裁の裁判を傍聴したわけではないので断言はできないのですが、それらを充分に論議したわけではないようです。

青葉被告は重度の統合失調症です。言うまでもなく、統合失調症の患者のほとんどはおとなしい人たちです。犯罪者予備軍ではありません。だけど、青葉被告の犯行にはその精神疾患が大きな原因になっていることは間違いありません。

犯行時41歳の青葉被告の人生をたどると、彼の苦悩や孤独を理解することは難しいものではありません。非常に辛い人生だったろうと推察できます。精神疾患は家族にも学校の教師にも職場の人たちにも、なかなか理解されません。青葉被告は前科がありますが、その刑務所にて統合失調症と診断されたのです。出所後治療を受けるのですが、それが上手くいかなかったのでしょう。そのときの医療従事者は、彼には他害の恐れがあることを記録しています。真っ当な精神科に入院して治療を受けさせれば、凄惨な事件は無かった可能性はあったでしょう。

繰り返しますが、彼に同情しているのではありません。死刑囚にも人権があるとかを言うのでもありません。そうではなく、今からでも治療をする必要があると言いたいのです。残念ながら、精神科にはまともではない病院やクリニックもあります。医療従事者による暴行があった滝山病院や神出病院はまだ存在しています。どんな患者も、一度入院すれば二度と退院できないと言われています。

統合失調症には完治はほぼありません。しかし時間をかければ、自分自身をコントロールできるようになることは不可能ではありません。その治療は手厚くして然るべきなのです。

精神科鑑定医は、彼の疾患への理解が本当にあったのか疑問です。事件時もその前にも、心神喪失心神耗弱では無かったという証拠などあるわけがありません。死刑になる可能性が高い裁判では、精神鑑定はもっと慎重になる必要があります。数十分程度診察しただけで鑑定を下す医師もいるそうです。もっと日にちをかけずに判断することは適切とは思えません。

私は死刑制度には反対の立場です。主要国では死刑は日本やアメリカ、中国、インドくらいしか残っていません。また、アメリカでは死刑執行にはマスコミの記者が必ず立ち入って取材をします。日本では何故密室で死刑執行をされるのかは、私には理解ができません。死刑という制度がいびつなものだから、その執行を不可視化しているのです。

彼には残りの人生を空調の効いた閉鎖病棟で過ごして欲しいのです。自身の大やけどの治療にあたってくれた医療従事者たちの「優しさ」に触れたことには感謝しているという話がありました。たぶん、人の優しさに触れる機会がほとんど無かった人生だったのです。何度も言いますが同情ではなくて、単に治療を受ける権利はあるという話です。どうしても死刑を免れないのなら、せめてその病の辛さを軽減してからでもいいと思うのです。遺族の感情を無視するのかと言われれば、何も反論はできないのですが。

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