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毎日新聞と岡部卓専任教授の「生活保護観」が酷すぎる

毎日新聞2月12日朝刊で、菅首相の「生活保護」発言が取り上げられています。菅発言については過去にブログで書きましたが、もう一度考えてみましょう。

岡部卓の発言を一部取り上げます。

「弱者切り捨てにつながるような極めて市場主義、新自由主義的な発言であり、社会保障の政策に興味がない本音が出てしまったのではないか」

「コロナ禍のような有事の対応ではない」

「安易な受給者が増えるモラルハザードを防ぎ、…生活保護の要件を緩和したり家族による扶養を優先されることを無くしたりするのは難しい」

生活保護とは、最低限度の生活を保障する制度だから、市場主義だろうがコロナ禍だろうが関係ありません。生活保護を利用しやすくするという意味では菅発言は画期的です。たぶん、福祉事務所の現場でも衝撃があったのではないでしょうか。

最後の「モラルハザード」うんぬんは、何をおっしゃりたいのか分かりません。「安易な」受給者が増えてもいいじゃないですか。

フランスでは積極的連帯手当て(フランスの生活保護)はむしろ若い方が多く受給しています。売れない芸術家、音楽家、下部リーグのフットボールの選手など。生きて行くための権利を行使する、それだけの話です。

毎日新聞も岡部卓も、生活に困窮していれば生活保護を活用しましょうと言えばいいのです。総理大臣や政権与党を批判するのは無論大事なことです。ただし、生活困窮者の立場も忘れてはいけません。

毎日新聞と岡部卓は、たぶん二回目の一律給付金を配れと言いたいのでしょう。けれども一回か二回あるか無いかの給付金をアテにするのと、(充分では無いにしろ)生活保護を受給して当面を乗り越えるのとどちらが安心ですか、ということです。私は別に菅首相自民党の支持者ではありませんが、今回に限っては菅首相の勝ちです。