闘うブログ!レフティ中尾 社会派!

福祉を主なテーマに書いています。よろしくお願いします。

細田博之衆院議長の「給料100万円」発言から見えたこと

この発言にムカっとした方は多いでしょうし、謝罪をされたことは良かったと思います。とは言え、国会議員の給与と議員定数について、違った意味で考えることができたのは、意味がありました。

議員の給与が少ないと、議員を志す人は減るでしょうし、汚職に手を出す人も増えるかもしれません。もちろん、多ければ多いほど良いわけではないので、適正な金額はどの程度かは議論が必要です。

それよりも細田議長の発言で気になったのは「(議員の給与が少ないのなら)議員を多少増やしてもバチは当たらない」ということです。

現状、議員は多すぎるのでしょうか。私はそうは思えないのです。議員が増えると税負担が増えるという理屈も分からないでもありません。とは言うものの、過疎化が進む地域からは国会議員が生まれないとなれば、それはフェアとは言えないでしょう。

また、民主主義社会では少数派の意見も尊重されるべきです。なのに、今の国会には既存の政党に属さずに議員になる手段が乏しいのです。比例代表制ではそれが顕著で、現存する政党に属し、そこで出世をしなければ議員にはなれません。だから必然的に保守的な政策を持つ人しか選ばれないのです。左派政党であっても同様です。例えば、志位和夫にも福島瑞穂にも泉健太にも山本太郎にも批判をして迎合しない左派の政治家は、国会議員になれるのでしょうか。既存の政党や政治家の地位や利権を現制度は保護しているのです。

この国では議員や公務員を減らすことが望ましいという意見が大半です。(そう言えばイギリスのジョンソン首相も公務員を9万人減らすと発言しました)私が思うに、議員削減は民主主義の後退ですし、公務員の削減は失業者の増加と、労働者の賃金がカットされることです。公務員の雇用や待遇が保障されなくて、民間の労働者の権利は守られるのでしょうか。

細田議長がそこまで考えていたのかは不明ですが、良くも悪くも問題提起にはなったのです。それが給料100万円の価値があるのかどうかは別の問題ですが。

 #細田博之

 #民主主義

 #国会議員削減

 

 

 

 

岩田正美さんの、部分的に使える生活保護。住宅扶助を幅広い人たちに提供しよう。

毎日新聞で、岩田正美さん(日本女子大名誉教授)へのインタビュー記事がありました。岩田さんは著書「生活保護解体論」にて、「生活保護制度は一度解体して出直した方がいい」と述べています。解体とは過激なことのようですが、そうではなくて、生活保護を使えない貧困層の方にも活用できる制度を作ろうという提言です。

インタビューでは社会保険生活保護の一体化や、ニーズの高い住宅扶助をより広く利用できれば、と提案しています。

住宅扶助を低所得者だけではなく、幅広い世帯に提供することには賛成です。特に東京23区など、家賃がとんでもなく高い地域に住める人が増えれば生活の質が上がります。

そう言えば、都心では「3畳アパート」が増えているそうです。なかには、トイレにドアや壁が無い物件もあるそうです。そうでなくても、あまりにも狭い住居はストレスになりそうです。

「部分的に使える生活保護」という表現では、やはりスティグマがありそうです。住宅扶助は国や自治体からだけでなく、就労している人には、企業からもある程度の金額を出してもらえれば、スティグマは軽減されるのではと思います。

つまり、企業が従業員の賃金や生活のサポートを手厚くするように要請し、その分法人税を抑えることにすれば、ある程度解決しそうです。日本の左派政党は逆に法人税を増やして消費税を下げる政策を訴えていますが、それは労働者のためにならないような気がします。わざわざ、賃上げをしづらい税制にしてどうするのでしょうか。

日本ではここ数十年、賃金が増えないという異常なことになっています。一方で、生活にかかる費用は増加しています。何らかの対策は必須でしょうが、こうしたことも、今年の参院選では誰も議論しないのでしょうね。

 #生活保護

 #住宅扶助

 #岩田正

 

 

ウクライナ戦争、マリウポリからの民間人脱出についてアベコベな新聞報道。日本のメディアは信用できないのか?

5月7日の毎日新聞。「マリウポリの製鉄所から民間人50人脱出。ロシアの攻撃継続で難航」の記事とその写真を見て、違和感を感じました。記事の一部を引用します。

ウクライナのベレシチューク副首相は(5月)6日、ロシア軍が包囲する南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から同日、子どもを含む民間人50人が脱出したと発表した。4月30日に始まった製鉄所からの民間人の退避はロシア側の攻撃で難航しており、残り民間人が脱出できるかどうか、予断を許さない状況が続いている」

この記事では民間人を救い出したのはウクライナ軍で、ロシア軍がそれを妨害しているということになります。

ところが写真にある、民間人が乗る青いゴージャスなバスはロシアの物で間違いありません。というのはバスの窓ガラスに大きく「9」と書いてあり、その次に「мая」と表記されています。これは5月9日という意味で、ロシアの戦勝記念日のことです。また、同じ写真の兵士は白い腕章を付けています。これはロシア兵を意味しています。ウクライナ兵なら黄色か青の腕章です。

探すと、同じ場面と思われる動画を見つけました。その青いバスに民間人たちがペットを連れて乗車しています。その動画では戦場の空気は感じられないのです。戦闘が近くで行われています様子はありません。つまり、民間人を保護しているのはロシア軍であって、少なくともその時点ではロシア軍は攻撃をしていないのです。

毎日新聞は(他の新聞やメディアでも同じ報道をしているのでしょうが)なぜ、すぐにバレる嘘の報道をするのでしょう。これではウクライナ戦争に関するニュースはどれも信用ならないということになります。ウクライナ万歳、ロシアを倒せ、ウクライナに募金とガスマスクとドローンを送れ。これに反対するのは非国民だ。そうした世論を作ってどうするのでしょう。

ここで私は、ロシアが全面的に正義だと言うのではなくて、なによりも正確な報道をして欲しいと願っているのです。将来、日本が戦争をしたとしたら、やはり日本政府の都合の良い報道がされるのでしょう。先の大戦のときの新聞もそうだったように。現行のメディアに頼らず、自分たち一人ひとりが真実を探すしかないのです。歴史が繰り返されるとしたら恐怖です。

 #ウクライナ戦争

 #マリウポリ民間人脱出

 #毎日新聞

 

 

 

日本国憲法改正していいものなの?あえて問う4つの条文

憲法論議でよく耳にするのは「憲法は国家権力を縛るためにあるんだよ」ということです。その根拠の一つは日本国憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」なのでしょう。と言っても、その義務は必ずしも現行の憲法の改定について議論をしてはいけない、という意味ではないでしょう。

ただし、憲法9条「戦争の放棄」同11条と同97条「基本的人権は侵すことのできない永久の権利」同12条「国民の自由及び権利の保持」同98条「憲法は国の最高法規」これらは死守すべきものです。他の条文と比較しても明らかに熱を帯びた文で、この憲法の中軸と言えます。

また、特筆すべきは同24条です。「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなくてはならない。配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」

この24条は、当時22歳のアメリカ人女性のベアテ・シロタさんが大きく関わったのです。両性の平等について明文化されたのは革命的ですし、性の多様化の時代にも通じるものがあります。

この憲法ベアテさんのようなアメリカ人(GHQ)が中心となって作成されました。だから「憲法は日本人自らが作らなければならない、アメリカの押し付け憲法はゴメンだ」という批判がよくあります。しかし、マッカーサーも日本政府に憲法作成を依頼していたのです。当時の国務大臣に書かせたのですが、明治憲法とほとんど同じもので、とてもじゃないが受け入れられることが出来なかったのです。それでも結果として数多くの国民が親しむことになる憲法が完成したのは奇跡です。

そして、国民がこれからの憲法を議論するなら、私は争点として

①性の多様性(24条の発展)

②労働者の権利向上(27条、28条の発展)

③死刑制度廃止(36条、37条の発展)

④二院制の是非(42条)

を取り上げます。まあ、③と④はほとんどの方から反感は買うでしょう。ここでは深くは述べませんが、いつか当ブログで発信します。冒頭で憲法が権力を縛ると書きましたが、権力でも何でもない私が好き勝手に語るのは許されることだと思うのです。

 

 #日本国憲法改正

 #ベアテ・シロタ

 #憲法24条

 

 

 

 

河瀨直美さん(映画監督)の「ロシア発言」は正しいのか

河瀨直美さんの東京大学入学式の祝辞が物議を醸しています。ロシアの「悪」を擁護しているのでは、という見解が大半です。ひろゆきさんは、「ロシアから金を貰っているか、頭が悪いのかどちらですか?」という皮肉をツイートしました。ロシアから金を貰うはずもなく、頭が悪いわけでも無いと思うのですが、まずはその祝辞の問題箇所を引用します。少し長いです。

「管長さんが蔵王堂を去る間際にそっとつぶやいた言葉を私は逃しませんでした。『僕はこの中であれらの国の名前を言わへんようにしとんや』

金峯山寺には役行者様が鬼を諭して弟子にし、その後も大峰の深い山を共に修行をして歩いた歴史が残っています。節分には『福はうち、鬼もうち』というかけ声で、鬼を外へ追いやらないのです。この考え方を千年以上続けている吉野の深い里の人々の精神性に改めて敬意を抱いています。

管長様にこの言葉の真意を問うた訳ではないので、これは私の感じ方に過ぎないと思って聞いてください。管長さんの言わんとすることは、こういうことではないでしょうか?例えば『ロシア』という国を悪者にするのは簡単である。けれどもその国の正義がウクライナの正義とぶつかり合っているのだとすれば、それを止めるにはどうすればいいのか。なぜこのようなことが起こってしまっているのか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないだろうか?誤解を恐れずに言うと『悪』を存在させることで、私は安心していないだろうか?人間は弱い生き物です。だからこそつながりあって、とある国家に属してその中で生かされているともいえます。そうして自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要があるのです。そうすることで、自らの中に自制心を持って、それを拒否することを選択したいと想います。」

真っ当なことを話されているように思います。ロシアを擁護しているのではなくて、善悪とは何かということを管長さんの言葉から考えているのです。私はブレヒトの「亡命者の対話」を思い出しました。「善という言葉には嫌なニュアンスがある」つまり、善人も善行も、ときには鼻持ちならないこともあるのです。「善」には疑ってかかる必要もあるのです。

管長さんの「あれらの国の名前は言わない」はどの国のことなのでしょうか。ロシアとウクライナのことなのか、あるいは、あらゆる国家を指しているのかもしれません。全ての国家は「善」と「正義」の仮面をかぶっていて、安易に善悪の区別はつかないでしょう。あえて言えば、ウクライナに武器弾薬を送ることが正しいのか、ロシアを叩き潰すことが正義なのか、熟考を重ね、議論をする必要があります。もっとも、河瀨さんはそこまで踏み込んだことは言っていません。

私は「福はうち、鬼もうち」のかけ声を知っています。鬼とはつまり、「四苦」のことで「生、老人、病、死」とも付き合うのが人生だということです。老いや病いや死も受け入れるのです。そして、鬼とは単に災厄をもたらすものとも限らないのです。鬼もまた、ときには救済する必要もあるのです。

「悪を存在させることで安心していないか」「とある国家に属してその中で生かされている」「自分たちの国が他の国を侵攻する可能性を自覚する」という言葉には、ロシアの擁護とか、戦争を正当化することとは真逆のことを述べているのが分かります。つまり、「ロシアが悪い」「ウクライナは正義」として、ウクライナの国旗やウクライナカラーのライトアップで酔いしれて、おまけに募金をすることで、自分は安心できるのです。そうすると、肝心な自分たちのことや、この国のことが疎かになります。そして、この国も気が付いたら戦争をするかもしれなくて、その時にどう選択し、どう行動をするのかが若者たちに求められているのです。河瀨さんの言葉に触れた学生たちには、とてつもなく重い課題が与えられたのです。この祝辞に批判するのはまだしも、単にケチをつけるのは、どうかしているでしょうね。

 #河瀨直美

 #東大祝辞

 #ウクライナ戦争

 

 

 

 

何故か報道されない那覇市議会で自民党と共産党が手を結ぶ。自衛隊への感謝決議が可決

沖縄のメディア以外ではほとんど報道されていないのですが、2022年4月25日に那覇市議会で自衛隊への感謝決議が自民、共産の賛成多数で可決されました。無所属の会が反対で、公明、ニライ、立憲、社大が、全会一致でなくて、決議に馴染まないことを理由に退席しました。思うに、自衛隊に感謝をすることがダメなのではなくて、ロクに議論もせずに、市議会が自衛隊への感謝を市民に強制することが問題なのです。

私の知る限り、共産党は賛成理由を述べていません。また、どのメディアもそれを追求していません。共産党自衛隊憲法違反だと主張しているはずです。また、自衛隊反戦デモを反乱勢力として敵視をしていることが物議を醸していることから考えても、このタイミングで決議に賛成するのは不適切でしょう。

共産党自衛隊に対する立ち位置を変えています。「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守り抜く」という方針を明らかにしています。自衛隊憲法違反だが活用はするという、よくわからないスタンスです。近い将来に自衛隊は合憲だと政策を大転換するのでしょうか。

共産党の迷走の原因には、間違いなくウクライナ戦争の影響があります。しかし、ロシアか中国か北朝鮮かあるいはアメリカが日本に侵攻してくる可能性はほとんど無いでしょう。動機がありませんから。ロシアがウクライナに侵攻したのは、2014年頃からドンバス地区のロシア系住民がアゾフ大隊から攻撃を受けていたことがきっかけの一つです。要するに8年前から揉めていたことが理由であって、いきなりロシア軍が前触れなく侵攻したわけではないのです。(もちろんロシアの正義は、全て正しいのではありません)

つまり、外交次第では自衛隊に頼らなくとも戦争は防げるのです。共産党はそうした立場の政党だったはずです。日本政府が好戦的だと周辺国に警戒されない限り、平和は守れるのです。

GDP2%の軍事費を目標にすることが自民党内で議論されています。私はこれは実現が困難だと思っています。概ね、軍事費の半分は自衛隊員の人件費です。ところが自衛隊に入る若者は減っています。また、防衛大学の卒業生も任官拒否をする人が増えています。兵器を増やせばそれだけ隊員は必要になりますが、そのためには徴兵制を導入するしかないでしょう。共産党はこれにも賛成するのでしょうか。自民党共産党の接近は既に始まっています。嫌な言葉ですが近々「翼賛」体制になるのかもしれません。

 #自衛隊への感謝決議

 #共産党

 #那覇市議会

 

 

 

 

決定版!ウクライナ戦争を解決する二つの方法

アメリカの反戦著名人であるノーム・チョムスキー(94歳!)は、ウクライナ戦争を終わらせる二つの方法を述べました。それは簡単なようで難しいことです。

「一つ目は交渉による解決、二つ目は(現在のように)最後まで戦うこと」

日本人では著名人や政治家を含めて、徹底抗戦、侵略者に屈しないという意見がほとんどです。ウクライナ化学兵器から守る防具とドローンを送ることが決まっています。つまり、ゼレンスキー大統領が率いるウクライナ軍が反撃して、ロシアの侵略者たちを追い出すことを望んでいるのです。これにあえて反対している人はごく少数です。

ただし、これはロシアとウクライナの兵士たちが多くの血を流すことを意味しています。大勢の民間人も犠牲になるでしょう。だから私はこれには賛同できません。

考えたくないことですが、ロシアが核兵器を使う可能性もゼロではありません。アメリカのジャーナリストの中には「プーチン大統領イカれている、正気ではない」という発言をしている人もいます。真偽は不明ですが、だったら戦闘を継続するのは、なおさら危険です。

アメリカの政治家も、ロシアに経済制裁を強めて、ウクライナに武器弾薬を供給することを方針としています。日本も同じです。しかし、チョムスキーはこれには反対しています。

もう一つの外交による解決はある意味、プーチンに退路を与えることになります。つまりプーチンの「正義」を認めるようなものです。具体的にはウクライナの中立化(NATOには加盟しない)とドンバス地域の自治権を付与することです。これにウクライナが合意すれば戦争は終結します。

ゼレンスキーもバイデン大統領も、この妥協案は簡単には飲めないでしょうけれど、こうすれば人的被害はこれ以上拡大することはありません。

明日台風が来るとして、「台風は嫌いだ、認めない」と言っても何の役にもならないのと同じく、「プーチンは嫌いだ、認めない」と何百万回唱えても解決にはなりません。それは面白くないでしょうし、理不尽でもありますが、この選択が現実的です。

「戦争は始めるのは簡単だが、止めるのは困難だ」という言葉を知人に教えていただいたのですが、困難なのは決断をすることであって、それさえ乗り越えれば知恵を結集して、立場を越えて分かり合えるのが人間だと信じています。

チョムスキーは子どもの頃、サマーキャンプをしているときにラジオで広島に原爆が投下されたのを知りました。ショックだったのが、まわりの誰もがそのことに関心を持たないことだったそうです。その頃と比べると、私たちの多くはウクライナ戦争に関心を持っています。情報もたくさん入ってきます。あとは考えることと行動することです。罪の無いウクライナの人々に平穏が訪れることを願っています。

チョムスキーの発言はハンギョレから引用しました。ありがとうございます。

 #ウクライナ戦争

 #チョムスキー