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Uberのタクシー業参入に反対します。外資が日本の交通網を牛耳るのを許さない

Uberによるタクシーのライドシェアについて肯定的な意見がSNSなどで語られています。「ライドシェア」とは文字通りに解釈すれば、同じ方角へと向かうお客さんを複数乗せて、その分運賃を安くするということだと思われます。しかし、この議論ではUberが二種免許を所持しないドライバーも含めて契約をし、「白タク」のように車両も自由で良いというサービスのことも「ライドシェア」と呼んでいるようです。問題点として、業務委託なので運転手は労働者とは扱われないし、またお客さんの安全確保についても、二種免許を持たないドライバーが適切な対処ができるのか、という点も不明です。それなのに何故「ライドシェア」が圧倒的に支持されるのでしょうか。外資であるUberに日本の重要な交通手段であるタクシーを牛耳られることに右派・左派の著名人が全く危機を感じていないのはなんとも不思議です。

その背景には「タクシー不足」があるとの声もあります。私は東京で長年タクシードライバーを務めていて、今は神戸在住です。東京でも神戸でも空車タクシーはイヤというほど走っているし、駅やホテルや病院などのタクシー乗り場でも空車タクシーがいつも客待ちをしています。本当にタクシー不足なのか疑問に思います。

おそらく、タクシーが捕まらないという人たちは、普段、タクシーを利用されていないのではと推測します。つまり、金曜日の深夜とか、急な雨天のときだけタクシーを利用しているのです。そのときはどうしても実車率が跳ね上がるので、これはUberがあろうと無かろうとタクシーは簡単には捕まらないでしょう。それはタクシーが不足しているのではなく、一般道が渋滞していることが理由の一つです。深夜に道路工事をして車線を塞いでいるのだから当然です。多少タクシーを増やしても解決はできません。

空車のタクシーを待つ間が長く感じるのは心理的には理解できます。例えばわずか5分待っても、急いでいるときは焦る気持ちもあるでしょう。しかし、乗り合いバスや電車を5分とか10分を待つため「もっとバスや電車を増やせ」と要求される人はあまりいません。路線バスだって5分遅れて到着することは良くあることです。これもバスが不足しているのではなく、交通事情によるものだということを皆理解しているはずです。タクシーもしかりで、通常の時間帯で道路が混んでいなければ、流しのタクシーを5分待つことは稀です。

今も昔もタクシードライバーは極度に搾取されています。ハードな仕事なのに低賃金で歩合制です。個人タクシーは別ですが、法人のタクシーは売り上げの4割をピンハネされています。私はタクシー会社の存在理由が分かりません。全て個人タクシーになればドライバーの利益は確実に増えます。しかしUberが本格参入すれば、ドライバーはより一層ピンハネされる可能性もあります。Uberのシステムを構築すれば、後は半自動的に中間搾取できるのです。楽でリスクの無いビジネスです。打ち出の小槌です。

結局のところ、ウーバーイーツのように過当競争となり、お客さんとのトラブルも増えることを私は予測します。当ブログでは幾度か、専門的な仕事をする「職人」が、最低賃金で文句も言わずに働く「係員」に変わることへの危惧を述べてきました。Uberのタクシーも然りで、Uberに登録するしないに限らず、全てのタクシードライバーが減収することが目に見えています。それなのに、ほとんどの著名人はUberを歓迎しているか、ダンマリをしています。Uberの参入によって被害を被るのはタクシードライバーだけではなくて、全ての労働者なのかもしれません。つまりライドシェアは外資が日本の産業を支配するための一里塚なのです。国粋主義者の人も、労働者の味方だと自称する人たちも、もっと危機意識を持つべきです。

余談ですが、私は二種免許を先月返納しました。いちぢるしく動体視力が衰えたため、二種免許の更新が出来なかったのです。このように、一種免許と二種免許とでは求められる能力が異なるのです。一種免許はかろうじて更新できたので、その気になればUberでタクシーの仕事は出来るのでしょうが、お客さんを安全にお乗せすることには私は力量不足です。自分の衰えを認めることはとても大事です。最後に、全てのタクシードライバーの生活向上と安全を願います。

 #タクシーライドシェア 

 #Uber