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「底辺」上等!話題の「底辺職」よりもさらに底辺な仕事があります!

何故か唐突にSNSで話題になった「底辺職」です。テレビか何かで取り上げられたのでしょうか?そこでは12種の職業が列挙されていました。

土木建設作業員

警備スタッフ

工場作業員

倉庫作業員

コンビニ店員

清掃スタッフ

トラック運転手

ゴミ収集スタッフ

飲食店スタッフ

介護士

保育士

コールセンタースタッフ

私が働いたことがある職種が並んでいて、少し笑ってしまいます。土木、警備、工場、倉庫、清掃、トラック、飲食店、コールセンター。これらは経験しています。でも私の印象ではこれらの仕事は「底辺」とは思えないのです。どんな仕事も大事だろ、社会を支えているだろう、ということが言いたいのではありません。

そもそも、「底辺職」とはどう定義されるのでしょうか?給料が安いとか、汚れる仕事、臭い職場は当てはまるのでしょう。だけど、それよりも重要で決定的なものが有るのです。それはお客さんからバカにされる仕事、クレームに怯える仕事。これに尽きます。いくらキツくても直接非難を受けることが少ない仕事は案外楽とも言えます。

その意味では、介護士や保育士、コールセンタースタッフが底辺に近い職種であることは間違いありません。しかし、介護士と保育士は、政治家や行政から優遇される可能性が高いです。クレームを喰らいやすいかもしれませんが、感謝をされることも同じくらいあるでしょう。何よりも働く人の意識は高いと思われます。その意味ではコールセンターはかなりしんどいと思います。

アメリカの消費者が問い合わせるコールセンターの一部はインドにあって、そのインドのスタッフは、アメリカ風の名前を持ち、アメリカの文化やニュースに詳しいそうです。つまり、アメリカ人がやりたがらない仕事なのでしょう。そう言えば、日本のアマゾンのコールセンタースタッフにもアジア系外国人が多い印象があります。

それでも、決定的な「底辺職」が他にあるのです。私も長年勤めました「タクシードライバー」です。タクシーは密室です。お客さんと一対一です。この状況ではお互いの本性が剥き出しとなることが、どうしてもあるのです。私は性格が温厚で、比較的トラブルは少なめでしたが、ゼロにはならないのです。タクシーなんて、お客さんとの会話は行き先と道順を確認すれば良いだけの話なのに。また、トラブルにはならなくても、お客さんから酷くバカにされることは毎日のようにあります。例えば「何でこんな仕事をしているの?」とはよく言われます。「メーターが動いてから止めただろう」とか「いつもより料金が高い」などと言われることもあります。揉めると面倒なので「いつもはおいくらですか?」と尋ねてその料金だけ受け取ることもあります。残りはもちろん自腹です。

忘れられないのが、とある日本代表のサッカー選手のご家族をお乗せしたときのことです。その小学生くらいの娘さんから色々と罵声を浴びました。きっかけはそのサッカー選手のことを私が知らないと思われたことです。ひたすらに娘さんに謝りました。

いや、知っているのですが、私は有名人を乗せても気づかないふりをするのです。ましてやサインをお願いしたりはしません。運転手仲間には有名人を乗せた自慢をする人もいるのですが、それって良くないことだと思うのです。有名人も自宅とか知られたく無い人が大半でしょうから。

「底辺職」で長く働く秘訣はやはり「自尊心」です。明けの日には地図とにらめっこをしてルートを覚えます。また、仲間と「流し方」を研究したりもします。バカにされても、テレビやネットで誹謗中傷されても、おのれに自信があればへこたれないのです。「底辺」上等です。

ついでの話です。ごく稀に所持金が少ないお客さんもいます。深夜、ご乗車されたときに「家までだいたい6千円かかるけど、5千円しか持っていないからメーターが5千円になったら止めて欲しい。そこから歩くから」と。そのときは「よろしければ千円分立替させていただきますので、残りは会社の口座に振り込んでいただけませんか」と提案します。このケースで残りのお金が払われなかったことは不思議とありません。なんだかんだで世の中捨てたものでは無いと思います。たまに乗り逃げされそうになるけれど。

その人を追いかけて捕まえて、料金を財布から取り出したら「ありがとうございました」と頭を下げるのは私だけでしょうか?「月はどっちにでている」という映画にもそうしたシーンがありましたね。

 #底辺職 

 #タクシードライバー