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ナザレンコ・アンドリー。日本人は「生活保護をもらうなら餓死したほうがマシ」と思っている?

このアンドリーさん(在日ウクライナ人・会社員)のツイートは想田和弘さん(映画作家)のツイートからの反論になっています。想田さんのツイートを抜粋します。

「日本社会が難民に対して冷淡なのは『想像力の欠如』という同じ根っ子から生じていると思う。(以下略)」

想田さんの発言は重要です。入管法改正案はすでに衆議院を通過していて、成立するのはほぼ確実です。入管法を無批判に受け入れる原因が「想像力の欠如」であり、私はそれプラス「知の欠如」もあるのでは、と思うのです。知らないということは怖いです。外国人の友人・知人を持ったことがない人が多数なのでしょう。多くの日本人にとって、外国人と言えばアメリカの白人であって、それ以外の地域や人種には無関心なのです。

さて、今回は入管法や難民についてではなく、アンドリーさんの日本人観を批判します。彼のツイートを抜粋します。

「いいえ。日本社会はたまに他人に厳しいのは、自分に厳しい人が多いからです。周りに迷惑をかけるのは最大の罪という認識を持ち『生活保護をもらうなら餓死したほうがマシ』と考える人まで普通にいるからね。想像力云々関係ない、自分が同じ立場になっても、ゴネ得しようとしない人が殆どですよ?」

アンドリーさん、難民は「ゴネ得」をしようとしているという認識なのですか。ただ単に日本で暮らしたいという気持ちはゴネてる訳ではありませんよ。日本人は同じ立場になったら死を選ぶのでしょうか?アンドリーさんの発言でもう一つ無視できないのは、日本人は「生活保護をもらうなら餓死したほうがマシ」と考えているのかです。

生活保護スティグマは確かにこの国に存在しています。ただしこれは、身内に知られたくないという心理です。日本人には生活保護制度のことは広く知られています。ただ、どこでどうすれば生活保護が受給できるのかは知らない人もいるでしょう。そして、福祉事務所にたどり着いても扶養照会という壁が待ち受けています。そこが問題なのです。餓死したほうがマシと言って、餓死を選ぶ人はどこにいるのでしょうか。私は知りません。

例えば、2021年に老老介護をしていた妹(82歳)が姉(84歳)を窒息死させたという、痛ましい事件がありました。年金だけではまともな生活はできません。ケアマネジャーも生活保護を勧めたのですが「他人に迷惑をかけられない」と言ってそれを拒絶したのです。これは果たして本心なのでしょうか?

そもそも、姉を殺害したことでさまざまな人に多大な迷惑をかけています。妹はアンドリーさんの言うように自分に厳しいのではありません。つまり日々の生活に追われて、判断力や思考力、行動力が著しく低下しているのです。私もまともに食べられずに栄養不足になった時に、同じような経験をしました。たまたま、支援団体に出会って生活保護を受給できたのです。感謝しかありませんし、私も餓死を望んでいたのではありませんでした。生きることへの執着心が間違いなくあったのです。

日本の生活保護については、国からテレビや新聞などでもっと広報すべきです。また、水道光熱費を滞納している世帯に、福祉事務所から訪ねることも必要です。つまり、生活保護という優れた制度をもっと周知すれば良いのです。それを日本人に限らず、難民を含めた外国人にも適用することを目指すのです。日本国憲法の「国民」には日本に住む外国人も含まれていると私は思うのです。「性質説」です。これはマクリーン事件最高裁判決によるもので、突拍子のないことを言っているのではありません。たぶん、アンドリーさんは日本人を無意識に蔑視しているのです。日本に住むのは日本人に限らず、さまざまな背景を持つ人々がいて、皆が同じ権利を持つ。そんな日本であって欲しいと強く願います。

 #ナザレンコ・アンドリー 

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