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誰も知らない?難民でも利用できる、もう一つの生活保護

大袈裟でもなく、「誰も知らない」生活保護制度があるのです。難民を支援する団体の方はご存知でしょうが、一般的には全く知られていません。外国人に手厳しい、自民党の小野田希美議員もたぶんご存知ではないと思われます。知ったら激怒されるかもしれません。

生活保護制度は厚労省が管轄ですが、もう一つの生活保護制度は外務省が管轄なのです。私もその生活保護制度の正式名称を知りません。このブログでは、「厚労省生活保護」と「外務省生活保護」と仮に名付けます。

さて、難民とは自国で戦争や内戦などが発生して、身の安全のために異国へと脱出される人たちです。もちろん、日本へと逃れる人々もいます。ところが、様々な制約のために貧困に陥ることが多いのです。

難民条約に基づき、日本政府より定住が認められると、制約なく就労が可能になります。(在留資格と言います)。就職が決まり働く事で、医療や年金、雇用などのセーフティネットが発生します。その後、失業や病気などで働けなくなり、生活に困窮すれば「厚労省生活保護」の対象にもなります。(生活保護を受けずに国へ帰れという主張が暴論だということも分かります)。

ただ、こうしたセーフティネットを受けられない難民もいます。「難民認定申請者」と呼ばれる人たちです。法務省の審査を受けるのですが、在留資格がないので、働く事ができません。その審査には2〜3年かかると言われています。「厚労省生活保護」も受給は認められません。しかし、その間の生活を支援する「外務省生活保護」があるのです。

その外務省生活保護は何故か根拠となる法令がありません。保護費は厚労省生活保護の約6割だと言われています。また、保護の範囲も狭く、生活扶助、医療扶助、住居扶助のみで、厚労省生活保護のように、出産や教育などの扶助はありません。最低限の生活を保障する厚労省生活保護と比べると、かなり厳しいものだと言えます。

また、外務省生活保護も全ての難民に与えられるものでもなくて、依然としておよそ9割の難民は生活保護を利用できないのです。だからほとんどの難民は生きていくには「不法な労働」をするしかありません。つまり、その「不法」は難民の側ではなくて、この国に責任があると言えます。その労働法に違反した仕事が増えれば、低賃金で働く日本人の待遇にも悪影響を及ぼすでしょう。

また、日本や欧州ではウクライナ難民を、他の地域からくる難民よりも手厚く保護をしています。まあ、政治に利用されているのですが、シリアやアフガニスタンなどからの難民にも同様な生活のサポートができないのは不平等です。

この国で、難民をどう受け入れて共に生きていくのかは、大事なテーマです。だから、「誰も知らない、もう一つの生活保護」もよく知ることが必要です。難民も私たちの隣人なのだから。

 #難民と生活保護