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NHK ETV特集「ルポ死亡退院」で見る精神科病棟の闇

私は双極性障害です。今も通院しています。精神科病棟に入院したことも二度あります。精神科病棟について見たり聞いたりしたことはあって、少しは内実を知っています。NHKの番組「ルポ死亡退院」も、やっぱりという話が多くあります。それでも事情をご存知では無い方々からは、驚きの内容でしょう。「死亡退院」とは精神科病棟で死亡されて「退院」をすることです。東京都の滝山病院では全体の78%の患者が「死亡退院」されるそうです。精神病棟の閉鎖性がそうさせる原因の一つです。その滝山病院へと足を運び、患者さんを救出する弁護士さんの奮闘を描いた番組です。

滝山病院の院長は、以前は宇都宮病院で院長をされていました。そこで患者への虐待による死亡事件が起きました。その院長は保険医の資格を剥奪されました。それなのに何故資格を持たない医師が再び院長になれるのかは分かりません。

その滝山病院は「入ったら二度と出られない」というウワサがあります。(そうした精神科は他にもあるでしょう)。ケアは適当で、虐待が日常的にあります。不必要な栄養剤の点滴もされています。精神科にとっては入院患者はドル箱なのです。

生活保護の予算は約4兆円ですが、そのうち約4000億円が精神科病棟に支払われています。驚きです。病院にとって生活保護の患者は、治療費が安定して回収できて、取りっぱぐれが無いので都合がいいのです。

この番組では触れていなかったのですが、世界的には精神科病棟を減らす努力をしています。イタリアでは全廃しています。昔はいざ知らず、今は患者の拘束は通常行わないものです。

本来なら行政(国や都道府県)が管理や指導をするべきことです。しかし、この滝山病院も、やはり患者への虐待が問題になった兵庫県の神出病院も今も存在しています。患者も入院しています。行政も職務怠慢をしていると言われても仕方ありません。

現状では精神科病棟の改善は困難極まります。それでも必要な方は入院されることでしょう。医療従事者ではない私がアドバイスするのは変ですが、入院には慎重に慎重を重ねて欲しいのです。例えば自殺念慮があったとしても、普通は数ヶ月もあれば落ち着くものです。入院されても快復したと自分で感じれば、積極的に退院したいと医師に伝えましょう。また、人権侵害を受けたら、病棟内の公衆電話から相談の電話をかけましょう。電話の近くにその電話番号が貼ってあるはずです。

もちろん、精神科病院が全て悪質なわけではありません。真面目に頑張っている医師や医療従事者も多いでしょう。最後に、精神科の全ての患者さんの健康と人としての尊厳が守られることを心から願います。

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