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声優団体がインボイス反対。根本的な解決策を無視しているのでは

アニメーターや漫画家らのインボイス反対については、実質的には雇用されているので雇用関係を結べば、インボイスがあろうと無かろうと、関係なく食べていけると過去に述べました。年収100万円代の人がフリーランスって、業界に搾取されているだけの話です。雇って最低賃金以上の報酬をなぜ払わないのかということです。最低賃金出来高だと何か不都合があるとも思えません。

ほぼ同業界には声優も働いています。インボイスに反対する声優団体、VOICTIONがYouTubeで動画を配信していました。興味があって視聴しましたが、インボイスそのものの解説はあっても、声優たちの報酬の仕組みが全く説明されず、何のための声優団体なのか、全く理解できませんでした。(彼らもまたフリーランスです)。

まあ、特権を持つ人(監督、プロデューサーなど)や経営者も、インボイスがあればその分搾取ができなくなるというわけです。しかし、末端の声優にとっては仕事が選べるわけでもなく、フリーランスであることが何一つメリットがありません。

声優の榎本温子さん(大ベテラン)は「アニメ業界において声優だけが労働環境が改善されていない」と述べています。報酬の安さや立場が弱いことを取り上げます。これはアニメーターたちにも共通することであり、声優だけの問題ではないでしょう。つまり、アニメ業界全体の話なのです。

声優の世界は全く透明性がありません。例えば、声優のタマゴたちは声優学校に通います。多くが週に一回のレッスンです。それを1年〜2年費やしてプロデビューとなります。そうして仕事が入るのですが、最初の数年間は報酬が一本につき、15000円に固定されています。(ジュニアというランクです)。たとえ、主役や主要人物であってもです。月に仕事が8本あっても、事務所のマネジメント料や税を払うと月10万円の手取りになるそうです。確かにそれでは食べてはいけません。もっと詳しいことを知りたいのですが、その内実はあまり公にはされていないのです。

声優業界が階級制であり、皆がフリーランスを余儀なくされる合理的な理由が全く分かりません。売れっ子になればフリーランスのメリットは大きいですが、新人たちにとってはアニメなどの制作会社から雇われるほうが安心です。

「声優の収入実態調査」によると、その7割が年収300万円以下だそうです。この数値が正しいのかは不明です。ジュニアランカーなら、年収100万円程度でも不思議ではありませんから。ジュニア時代に使い古されて、廃業する人もいるかもしれません。

私の昔の知り合いが、看護師のバイトをしながら声優をしていました。看護学校と声優学校とを同時に通っていたらしいです。とても優秀な人なのです。そうしたスキルが無ければ夜間に水商売をするしかなく、トータルの労働時間がとんでもないことになります。

若いアニメーターやアシスタントの漫画家たちもそうですが、声優もまた雇用契約を結ぶしか貧困の解消はできません。インボイスが導入されると、2割か3割のアニメーターや声優が廃業を余儀なくされると言うのですが、アニメのためにはいっそのこと、その業界を解体したほうが良い気がします。そうすれば彼らの地位や報酬は、保障されるようになる可能性もあります。インボイス反対を主張される方は、根本的な解決策を無視しているのです。

 #インボイス

 #声優業界