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ベーシックインカム批判⑥賃上げと生活保護の拡充こそ必要

これまでは、あえてベーシックインカム(以下BI)の「財源」については触れませんでした。ですが、今回は具体的にどの程度予算がいるのか、また、その代わりになるものを考察します。

2020年に特別定額給付金を全ての国民(在日外国人を含む)に一律10万円配りました。この財源は13兆円です。仮にこれを毎月継続的に配るBIにすれば156兆円です。ちなみに社会保障給付費は年120兆円ですから、それに匹敵する財源が必要になります。

BI論者は、BIを導入すれば年金や生活保護をBIに置き換えると言います。年金に投入されるのは年55兆円です。社会保障給付費の約半分です。

生活保護はどうでしょうか。年間では3.7兆円です。そこから医療扶助と介護扶助などを引いたもの、つまり生活扶助と住宅扶助の合計は年1.8兆円です。月換算で1500億円。意外と少ない金額だと思います。

BIの目的が貧困の解消ならば、生活保護を拡充して給付する方がずっと安上がりです。現状の社会保障制度で貧困は解決できます。

また、就労している方に月10万円のBIの代わりになるものはあるでしょうか。それは賃上げです。

仮に23日×8時間労働として184時間働くとします。時給換算で約540円賃上げすれば計算上は10万円所得が増えます。それほど非現実的な金額ではないと思います。

BIを実行するには大幅な増税か、現代貨幣理論(MMT)により国債を大量に発行して紙幣もじゃんじゃん刷るしかありません。これらは現実に適応できるのでしょうか。

まとめです。財政を圧迫していると言われる生活保護制度もBIと比較すると桁違いに少ない予算です。また、働く人たちへBIを配るよりも賃上げ、待遇改善で所得を増やす方が現実的です。過去のブログで何度か言いましたが、BIの背景には資本が賃金を抑制することで、さらに儲けることが可能になるのです。

BIについては、これからも執筆していきたいと思っています。ここまで読んでいただいてありがとうございます。