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驚き!斉藤幸平による「左派リベラル」批判

私は斉藤幸平さんの「人新世の資本論」は読んでいて、その「脱成長コミュニズム」は、さほど目新しいものではないという印象なのです。何故なら1980年代に既にマルクス主義エコロジーを結びつけた思想や運動は存在していたのです。その頃、日本にも「緑の党」と自称するグループが複数ありましたが、いずれも間もなく消滅したのです。理由は単純で、マルクス主義自体が権威を無くしつつあり、また、自称エコロジストたちも、結局は都会の便利な生活から抜け出せないという訳で、言動一致出来ずにいたのです。斉藤さんがエコロジーな生活をしているのかは不明ですが。

その斉藤さんのツイートを読んで少々驚きました。左派リベラルへの厳しい眼差しを感じます。以下、勝手に引用します。

「私は結果的に研究者だけど、マルクス主義だって一歩間違えれば普通にカルトだし。人間弱いし、社会は無理ゲーだし。そういう状況が変わらなければ、『無敵の人』なり、参政党的なものも、今後は増えていくわけです。その流れを止めるような魅力が今の左派リベラルにはない。向かい合うべき難しい問い」

マルクス研究者が、マルクスはカルトにもなり得ると言うのです。まあ、それは間違ってはいないのですが。また、「左派リベラル」が理論的には崩壊していることを斉藤さんも分かっているのです。2022年の参院選でも、単に消費税減税だの、最低賃金1500円だのといった「クーポン配り政策」しか打ち出せなくなって、結果、惨敗したのです。国民が何を望んでいるのか理解していないのです。そもそも、長年賃上げできなかったのは誰のせいなのでしょうか。既存の労働組合がヘナチョコだからでしょう。

「無敵の人」とは、失うものが何もなくて、犯罪を犯すのに何の躊躇いも持たない人のことらしいです。この言葉、私は知りませんでした。無敵の人、というより「孤独な人」だと私は思います。というのは、単に仕事がないとか、お金がないというだけで極端な行動をする人は超少数派だからです。多くは万引きとか食い逃げのように軽微な犯罪を犯すだけでしょう。無差別に殺傷をする人には別の要因、つまり社会からの疎外感が強いことがあるのではないでしょうか。

斉藤さんのツイートをもう一つ引用します。

「一方で、人に優しい社会をとか言いながら、こうやってすぐに人を見下す左派リベラルの姿勢が、今の凋落の原因なんですよね。今のカルトを馬鹿にしたようなツイッター界隈の態度ももやもやするので。自戒を込めて」

これは全面的に同意できます。私の知人にもいわゆるカルト宗教の信者はいます。彼らは普通に社会生活を送っているし、周囲に迷惑はさほどかけていません。そもそも「政教分離」とは「信仰の自由」を守るためにあって、カルトを弾圧することは必ずしも正しいこととも思えないのです。まあ、私の考えも少数派でしょうけれど。

 #斉藤幸平

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 #左派リベラル