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まだ知られていないアルコール依存症の恐ろしさ

兄がアルコール依存症です。約1年間アルコール専門病棟に入院していました。ところが何があったのか病院から追い出されました。強制退院です。もちろん、依存症は寛解していません。

そして今は一人暮らしです。「仕事を探す」と言っていましたが、どう考えても就労は無理です。仕事の前、あるいは仕事中にアルコールを飲むのは目に見えていますから。

だから兄には「ひとまず、生活保護を受けよう。そして少しずつでもいいからアルコール減らそう。アルコール外来のクリニックにも通おう」とお願いしました。しかし、生活保護を受給することには強く抵抗します。

「税金をもらって生活するのは他人に迷惑をかけることだから」いやいや、あなたは既にいろんな人達に迷惑をかけているのですが。他人に迷惑をかけない唯一の手段が生活保護なのですよ。

偶然、毎日新聞で「アルコール低減外来」の紹介記事を見つけました。筑波大病院に開設されたもので、吉本尚准教授が担当されています。

インターネットなどで外来を知った方からの問い合わせが北海道などからもあったようです。つまり、アルコール依存症専門のクリニックが全国的に少ないのでしょう。でも、自分の依存症を自覚して治療を積極的に受けようとする人は、半分は治っているとも言えます。兄はそもそも、自分がアルコール依存症だとは認めません。自分はアルコールに強いから平気だと思っているのです。他の入院患者とは違うとも言っています。そりゃあ、病院からも追い出されるか…。

そのアルコール低減外来では、飲酒量を自分でコントロールできる状態へ辿り着くのをゴールとしているようです。吉本先生と毎日新聞にイチャモンをつけるのではありませんが、「甘い」というのが実感です。たぶん、この記事を読んだ方は「アルコール依存は治る病気だよな、怖くはないな」と思われるでしょう。しかし、現実はアルコール依存症の方も、周りの人も激しく病気と闘っているのです。

さて、問題は私の兄です。今では携帯にかけても出てくれなくなりました。折り返しもしてくれません。生活費は大丈夫なのでしょうか。お金があってもほぼアルコールに消えそうな気がしますが。まず、自分をアルコール依存だと認識して、自ずから治療を受けようとする段階までは達して欲しいのです。誤解なきように付け加えますが、兄は特別だらしのない人間ではなくて、アルコール依存症によって冷静な判断力が失われているのです。たぶん、この先長い闘病期間が待ち構えているでしょうが、何とか兄の力になりたいです。

#アルコール依存症