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神戸5人殺傷事件の被告無罪判決に異議を唱える精神科医がいた

私は死刑廃止論者です。このブログでも何度か死刑制度について発言してきました。神戸5人殺傷事件についても触れましたが、この無罪判決に異議を唱える精神科医がいることに驚きました。YouTuberでもある「メンタルドクターsidow」さんです。

その動画で観た限りでは、sidowさんは被告とは接点はないようです。精神科医であるなら、見ず知らずの被告の病状を想像で語ることは控えるべきです。なにより鑑定医の判断を尊重する必要があります。

今回、2人の鑑定医が診断しました。1人目の鑑定医は11回の面談を重ねました。2人目はたったの5分の面談です。1人目は被告が事件当時心神喪失の可能性があると判断をして、2人目は心神耗弱で責任を問えるとしました。裁判官は1人目の鑑定医を支持したのです。

被告は医療観察法により入院することになります。それがsidowさんには面白くないようです。罪に問えないのは間違っている、心神喪失者であっても刑罰を受けるべきだと主張します。被告は死刑でもよかったのでしょうか。

被告は今後、入院先で治療を受けることになります。これは刑罰ではありませんが、ある意味刑務所よりも厳しい目にあうでしょう。何故なら一生病院から出られない可能性もあるからです。懲役なら刑期が決まっていますが。

信頼できるデータがないのですが、医療観察法による入院では、治療を終えて退院する人は全体の約2割だと言われています。すぐに無罪放免とはならないのです。

sidowさんは、これでは被害者も加害者も報われないと主張します。この点は全く同意できません。治療が必要な人を刑務所に放り込むことは間違っています。また、被害者へのサポートは当然必要ですが、それはまた別の話です。

つまり、sidowさんは加害者の人権よりも被害者の人権を守れと、ありきたりのことを言っているだけなのです。事情をよく知らずに迂闊な動画を作成して、数万人の視聴者へと届けたことは、やはり看過できないのです。

 

#メンタルドクターsidow

#神戸5人殺傷事件

#医療観察法