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死刑制度を考える。超少数意見としての死刑廃止論

奥本章寛死刑囚が、拘置所内で色鉛筆を使えなくしたことを表現の自由への侵害として国を訴えたことを2021年8月14日のブログで書きました。

超少数意見でしょうが、私は死刑廃止論者です。今回、死刑制度について考えさせられる出来事が二つありましたので紹介します。

一つは死刑執行を当日告知することが非人道的だとして、死刑囚二人が国を提訴したことです。私は知らなかったのですが、死刑は即日告知、即日執行なのです。死刑執行の1〜2時間前に告知されます。これでは手紙も書けないでしょう。また、いつ死刑執行されるのか分からないのは、筆舌に尽くし難い苦痛です。

私が死刑廃止を論じると、死刑囚の人権よりも、被害者や、その家族や友人の人権を軽視していると反論されます。私は死刑囚を許せと言っているのではありません。罪を償うのは当然ですが、その命を国が奪うのが野蛮だと言いたいのです。

奥本死刑囚は拘置所内で、色鉛筆で絵画を描いています。その売り上げは被害者の遺族への謝罪金になっています。遺族の方も今では、奥本死刑囚への死刑執行には反対されています。

死刑制度は日本、アメリカ、中国、インドなどで存続しています。一方で欧州では死刑は廃止されています。なぜ日本では死刑制度が当然のようになっているのでしょうか。

被害者の、そして加害者の人権という話だけではありません。もっと根本的かつ単純なことですが、加害者を死刑にしないと被害者やその家族が納得しないだろうという理屈です。また、私たちは死刑判決を知ると、どことなく安心するのです。

もう一つのニュースです。神戸5人殺傷事件の被告は神戸地裁で無罪判決を言い渡されました。心神喪失状態だった可能性があるためです。

医療観察法では、精神障害のために善悪の区別がつかない状態、つまり刑事責任を問えない加害者に適切な医療を受けさせることになっています。

この問題もまた物議を醸しそうです。念のために言いますが、精神障害者はみな犯罪者予備軍ではありません。むしろ大人しすぎる方が多いくらいです。今回は特殊なケースです。障害者差別はやめましょう。

 

#死刑廃止