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刑法改正と侮辱罪の厳罰化。いいことだけど議論が足りないか

2022年5月19日、衆議院本会議で刑法改正が可決されました。基本的には賛成です。参議院でも議論を尽くして欲しいものです。

刑法改正の目玉は、現行の懲役刑と禁錮刑を一本化して、「拘禁刑」となることです。いったい何が変わるのかと言えば、受刑者を懲らしめることに重きを置いてきた刑罰を、再犯防止のための教育や職業訓練に力を入れるということです。再犯者率は約50%と高いので、対策を講じるのは遅すぎるとも言えます。

ただ、もっと突っ込んだ議論もあっていいでしょう。犯罪の動機にはさまざまなものがありますが、経済苦によるものも少なくありません。仕事に恵まれない、仕事につけても重労働で続けられない。そんな理由だと刑務所を出ても、貧困のために同じあやまちを繰り返すこともあるでしょう。また、住居の確保も困難なので更生保護施設に入る人もいますが、これって刑務所と大して変わらないでしょう。自由が利かない生活をするのですから。

もう一つ大事なのは、死刑制度の見直しです。賛否はあるでしょうが、重大な犯罪者であれ、国家が命を奪うのは権力の濫用だと私は思います。いや、罪のない人の命を奪ったのだから死刑は当然という意見も筋は通っています。しかし、被害者の遺族が死刑は取り消して欲しいと願うケースも稀にあります。もしも更生できる可能性が少しでもあるなら死刑を回避することもあっていいと思います。少数意見でしょうが。

刑法改正について、最も注目されているのは侮辱罪です。これについては賛成ですが、侮辱罪となる具体例が見つからないので、それをハッキリして欲しいものです。罪に問われるケースを線引きするのは必要です。

プロレスラーだった木村花さんの自殺がきっかけで、SNSでの誹謗中傷が問題になったのですが、木村さんの出演番組や所属事務所にも無責任なところがあったようにも思えるのです。台本があるのかないのかもハッキリとしない番組と、プロレスラーであって女優ではない木村さんをそのテレビドラマに放り込んだ事務所ももっと非難されてもいいでしょう。SNSで匿名で攻撃的なメッセージを発信した人だけが裁かれて済む問題ではない気がします。何故なら、その番組が注目を集めるために仕組んだことの結果なのですから。

刑法と侮辱罪についてはもっと時間をかけて議論をして欲しかったと思います。もちろん、急いで整備をするべき問題でもあるのですが。最後になりますが、木村花さんのご冥福をお祈りいたします。

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