ひろゆきさんがぶちまけた「日本核武装論」に反対する
2021年9月17日のひろゆきさんのツイートです。
「アメリカ人が殺されてもアフガニスタンに報復しなかったように、日本人が殺されてもアメリカ軍が出動しない可能性があります。日本はタイミングをみて核武装すべき派のおいらです」
また、同日YouTubeでのコメントです。
「アメリカが軍事同盟を持っている国を守らないという可能性がある。アフガニスタンでアメリカ人がめっちゃ殺されていても報復しない。だから日本人が殺されてもアメリカは報復しない」と述べて「長期的にみれば日本は核を持った方がいい。トランプ政権のときに核開発をすべきだったがしなかった。自己防衛、自己責任で」と、かなり踏み込んだ発言をしました。
ひろゆきさんは、たぶんアフガニスタン情勢はどうでもよくて、日本は核武装をして、日米同盟を解消することを目指せと言っているのです。
ひろゆきさんは案外、古い価値観の人なんですね。遠きむかしの中曽根康弘さんの核武装論と何ひとつ変わらないのですから。中曽根は当時の左派勢力から激しい批判を受けて、結局は核武装は実現しなかったのです。
ところで、何故核兵器なのでしょうか。そのメリットは一つしかありません。
「安上がり」だからです。だから北朝鮮のような経済力に乏しい国はアメリカに対抗するには核兵器が必須なのです。北朝鮮が現状、アメリカから侵略を受けていないのは、核兵器を持っていることが大きな理由です。
デメリットもあります。真っ先に浮かぶのは、どこで核実験をするのかです。
日本の国土には地下核実験をする場所がありません。北海道でも無理でしょう。強いて挙げれば、小笠原諸島などの太平洋の島々でしょうか。島ひとつ吹き飛びますが。
次に、核兵器の運用の問題です。
核兵器をどこに配置するのでしょうか。まさか、東京の市ヶ谷という訳にはいきません。北海道、青森、沖縄でしょうか。地元からは大反対をされるでしょうが。空母や潜水艦に配備したとしても補給などのため港に戻る必要があります。例えば横浜に寄港させても大丈夫なのでしょうか。
最後に、核兵器の「抑止力」は本当にあるのでしょうか。そもそも、核兵器を大量に保有するアメリカも歴史的には随分と痛い目にあっています。今回のアフガニスタンやベトナム、9.11の同時多発テロには核兵器は役に立っていません。近未来であれ、核兵器が役に立つケースはほとんど無いでしょう。脅しにもなりません。
そもそも、ひろゆきさんは自分では手を汚さないのです。彼が自衛隊員になって、厳しい訓練を受けて、有事には最前線で命を賭して戦うのであれば、その発言は重みがあります。しかし、自身は安全な場所でぬくぬくしているのに核武装論を説くのは「綺麗事」でしかないのです。