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闘う映画評① 17歳の瞳に映る世界 

主人公のオータムが望まない妊娠をして、中絶をするために旅をする話です。(相手の男性は一切登場しません)

アメリカでは中絶に関しては、宗教的で政治的な価値観で二分されています。中絶に否定的なグループと、それに寛大なグループです。

そして、オータムの住むペンシルバニアでは未成年者が中絶するには親の同意が必要なのです。

旅に同行するのはイトコで親友のスカイラーです。オータムがバイト先のスーパーのトイレで嘔吐するのを見て、彼女が妊娠をしているのを察します。そしてスカイラーは、旅費と中絶の費用のためにスーパーの売上金をポケットにねじ込みます。(スカイラーの捨て身の友情が美しくも悲しい)長距離バスでニューヨークに向かうのですが、そこに必ずしも希望があるわけではありません。

ニューヨークでヘルスセンターを二カ所めぐります。そこでも中絶に反対するグループが抗議活動をしています。オータムの不安が募ります。

ようやく訪れる手術の前日、カウンセラーがオータムに質問をします。かなりセンシティブな質問です。4択です。

「無理やり性行為をされたことは?」

「性行為中に暴力を振るわれたことは?」

 never

 rarely

 sometimes

 always

全くない

滅多にない

ときどき

いつも

そうした質問を延々と受けて、涙ぐみながらオータムは答えます。

そんな映画ですが、非常に辛いテーマを扱いながらも物語に惹かれるのは、オータムのパワーとスカイラーの明るさ、そして二人の友情があるからです。スカイラーはなんだか「ポパイ」の恋人のオリーブに似ていて、美しさと頼もしさを兼ね備えているのです。

若い女性たちはもちろんですが、性に関して無責任な男たちにも見てほしい青春映画です。

 

#17歳の瞳に映る世界