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ベーシックインカム批判②大差で否決された要因は

「お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?」を読みました。おそらく、ベーシックインカム(以下BI)支持者ならば誰もが読んでいる入門書なのでしょう。

著者はスイス人のエノ・シュミット(起業家、投資家らしい)と山森亮(経済学者)、堅田香緒里、山口純の4名です。

色々と興味深い本ですが、最初に驚かされるのは一枚の航空写真です。スイス・ジュネーヴのかなりの規模の公園に巨大なポスターを敷き詰めています。ベーシックインカム国民投票の宣伝に使われたのです。

もう一枚、ベルンの連邦議会の前に800万枚の金色に近い硬貨をばら撒いた写真もインパクトがあります。(スイスの人口が800万人)。これらを見ると「悪趣味だなあ」としか感想がありません。

この2016年のBIをめぐる国民投票では賛成票が23%と惨敗しています。それ以降、再度の国民投票がされてはおらず、国民の支持はほぼ得られなかったのです。

その原因はいくつかあるのでしょうが、その一つはBI活動家の「成金趣味」にあります。

仮に日本でBIの国民投票があったとして、井の頭公園を巨大ポスターで隙間なく敷き詰め、国会議事堂前に5円硬貨を1億2000万枚ばら撒くような活動グループを支持できるでしょうか。私なら嫌悪感を覚えます。

もう一つ、シュミットはドイツ出身でありながらスイスでBIの活動をしています。スイスには国民投票制度があることが理由らしいのですが、やはり何かウラがあるのではとスイス人に勘繰られたのではないでしょうか。シュミットはBIによって新たなビジネスを展開するのではないかと。

BIは確かにビジネスとなり得るでしょう。そして労働者の賃金は下げられます。労働者の解雇も安易にできるようになります。次回はそこを掘り下げます。