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ベーシックインカム批判①「欲望」を味方にした推進派

ベーシックインカム(以下BI)は、その推進派を含めて真っ当な議論がされているとは思えません。経済的な理論とか、財源とか、何よりどのような社会を目指すのかという哲学もほぼ語られていないようです。それでも、この「政策」は一人歩きをして今ではほとんどの人にその名を知らされています。

なぜBIがロクに検証されていないにも関わらずそれなりの人気を集めているのでしょうか。それは単に一人ひとりの「欲望」だからです。仮に月収20万円の人がBIを10万円受け取ると、合計30万円となって今までよりも1.5倍の商品を買えるぞ、きゃっほー、という単純なものです。

2020年に日本で特別定額給付金が国民全員に10万円を配ったことがBI論者の多少の追い風になったのは間違いありません。これに味をしめて、毎月10万円配るのも出来るだろうという「欲望」が現れたのです。言うまでもなく特別定額給付金はBIではありません。毎月の支給を生涯受けることがBIですから。

BI論者はあえてマトモな議論を避けているのでしょう。BIの論拠としてよく語られるのは二つです。AI(人工知能)に仕事を奪われるからBIが必要だということ。もう一つは財源は紙幣をじゃんじゃん発行すれば良いという現代貨幣理論。逆に言えばそれ以上の突っ込んだ「理論」はおよそ耳にしません。BIが可能だとしても、BIが社会に与える影響については掘り下げた議論はなされていません。それでも支持者は「欲望」によって集まるのです。

このブログでBIをテーマに何度かに分けて連載します。お付き合い頂けましたら嬉しいです。