闘うブログ!レフティ中尾 社会派!

福祉を主なテーマに書いています。よろしくお願いします。

くじ引き民主主義とルソーの目指した自由

前回のブログにてフランスの「くじ引き民主主義」について述べました。今回はその続きです。

ルソーによれば、民主主義であるなら、議員という地位は特権ではなく厄介な重荷です。だから特定の個人に押し付けるのは公正ではないのです。くじ引きで選ばれた人がこの負担を背負う訳です。

ルソーは人びとの良識、正義感、廉直を信じているのです。なぜなら、「人は自由なものとして生まれた」からです。そして鎖に繋がれた現実を、新しい社会契約を作って法を用いることで更なる自由を拡げることが出来るのです。

ただしルソーは、真の民主政、民主主義はかつて存立したことは無いと言い切ります。そしてこの先も存在しないかも知れません。民主政ほど警戒と勇気が必要とされる政体はないからです。

フランスで生まれた「くじ引き民主主義」は間違いなくルソーの思想を拠り所としています。おそらく、既存の代議制民主主義への懐疑が新しい試みを産んだのでしょう。これがルソーの目指した自由を再び獲得できるのか、と言えば大袈裟ですが。

「地球上の果実は我々皆のものであり、地球自体は誰のものでもないということを忘れるようであればあなたはすでに正気ではない」。