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性犯罪の厳罰化は抑止になるのか?「痴漢外来」という性犯罪と闘う医学

前回のブログではDJ SODAさんへの痴漢疑惑について述べました。そこで雑誌「ニューズウィーク」にて西谷格さんがお二人を性犯罪者と断定したあげく、人格否定をしたことを批判しました。物証も目撃証言も無い「事件」にも関わらず、「青汁王子」と名乗るユーチューバーがお二人を動画で顔出しで「謝罪」させるという暴挙も問題視しました。今回はそれに関連して、性犯罪を無くすことができるのか、また性犯罪者の「治療」とは何か考えます。

性犯罪を抑制するためには「厳罰化」が効果的である、という意見が圧倒的に多いでしょう。そしてGPSを身体に埋め込んで、その人を常に監視することは既にアメリカやオーストラリアなどで実行されています。

ただし、それが犯罪の抑制になるというエビデンスはありません。身体に「私は過去に性犯罪を犯しました」という烙印を押せば、家族や友人も去り、就職もままならなくなります。社会から物理的に隔離させることで犯罪を減らすというのは乱暴すぎます。性犯罪に限らずなんらかの犯罪を犯す要因にもなると思われます。

日本でも性犯罪を犯した過去のある人に就職先を制限させることが検討されてもいますが、これもまた逆効果でしょう。その人が性犯罪の過去があるという情報が安易に手に入るなら、他の職場でも受け入れられないのは明白です。

では、性犯罪者の再発防止はできないことでしょうか?実は一部の精神科医がそれに積極的に取り組んでいるのです。

「痴漢外来」の著作がある原田隆之さんは「痴漢を治療するクリニック」を運営しています。性犯罪者に治療とは驚かれる人も多いでしょう。犯罪者を病気だと責任逃れをするな、被害者の気持ちを考えろ、という批判も当然あります。しかし、原田さんは性犯罪を「依存症」と考えています。アルコールや薬物の依存症に似たものです。そして犯罪心理学では「治療を伴わない刑罰には再犯防止効果がない」ことが明らかになっていると述べます。犯罪者への治療効果はエビデンスがあります。そして再犯の防止には処罰だけでは効果は限定的なのです。(もちろん、処罰を全否定するものではありません)

強調したいのは、性犯罪者の烙印を押された人々もまた悩みがあり、克服することに必死な人もいるのです。そして言うまでもなく、痴漢や性暴力の被害者もまた置き去りにされることはあってはならないのです。また、冤罪を防ぐことの困難も、西谷格さんや青汁王子さんの発言からも明らかなのです。

ところで、何がきっかけなのか不明ですが、ペドフェリアを許すなというツイートが複数見つかりました。ペドフェリアという性的嗜好とチャイルドマレスターという犯罪を犯す人を混同しているのでしょうが、誰でも多かれ少なかれペドフェリア的な興味はあるものです。

例えば人気のアニメ「名探偵コナン」は主人公を含め小学生の主要人物がいます。大人たちのファンも多いのはその人にペドフェリア的な傾向があるからです。(もちろん、このアニメを否定しているのではありません)。ペドフェリアは罪ではありませんし、そうしたアニメの作品は健全なのです。同様に、過度に依存しない範囲ならアダルトビデオ鑑賞などをすることも悪いことではないと思うのです。それ自体を否定するフェミニストは多いけれど。

 #性犯罪 

 #痴漢外来