闘うブログ!レフティ中尾 社会派!

福祉を主なテーマに書いています。よろしくお願いします。

インボイス制度導入間近。遅きに失する反対運動と、漫画家アシスタントの労働実態

インボイス導入が間近になって、その反対派の動きが活発になっています。それはあまりにも「遅い」と言えます。4〜5年前からインボイス導入の議論は始まっています。それなのに、実施数日前に52万人分の署名を提出するとか、遅きに失するとしか言えません。

その署名を岸田総理が受け取りを拒否したと、立憲民主党の泉代表や共産党の志位委員長がツイート(ポスト)していました。ああ、今どきの市民活動家は「請願法」をご存知ではないのですね。それにしても、泉さんや志位さんも、それを知らないというのも信じられません。

請願というのは、市民団体などが政府に対し要望をすること、その法的な手段です。請願法に則って行うものです。逆に言えば、その請願が法や形式にそぐわなければ、政府は受け取りを拒否できるのです。それは民主主義のプロセスとして大事なことです。署名人数が52万人であろうとも、ルールは守らなくてはなりません。

思うに「STOP!インボイス」という団体は、インボイス制度を跳ね除けるための知恵が乏しいのです。その数日前には、インボイスの徴税コストが年に4兆円だというデマを拡散させようとしました。立憲民主党共産党がバックに居ながら、この体たらくです。

とは言え、インボイス制度への反対運動は、良いこともあったのです。つまり、フリーランスや業務委託で働く人たちの実態が、ある程度は目に見えるようになったのです。当ブログでもアニメ産業で働くアニメーターや声優の労働環境や報酬を暴いたのですが、今回は漫画家のアシスタントの報酬の実態を知ることが出来たのです。

「STOP!インボイス」のツイートを引用します。漫画家の環望さんの発言です。

「漫画家の原稿料は一枚平均1万円位。それをひと月30枚30万円。経費はアシスタント代がほとんどで20万円近く飛ぶ。コロナでリモートになりアシスタント代は外注に。消費税が倍になった」

当ブログでも書きましたが、アシスタントだけではなく、アニメーターや声優もまた食うや食わずの生活です。インボイスがあろうと無かろうと元々食べてはいけません。ダブルワークや夜の商売や親からの仕送りで、かろうじて生活しています。

だから、漫画家のアシスタントも、本来なら出版社が報酬を払う責任があるのです。そうでなければ、漫画家が原稿料をもっと増やして、アシスタントを雇うことです。アニメーターや声優と同じく、アシスタントもまた不利な扱いを受けています。彼らも本来なら労働者であるべきなのに、フリーランス扱いをすれば、法定労働時間や最低賃金も無視できるだけではなく、福利厚生も必要ないのです。仕事の指揮も全て漫画家にあるのだから、実際には雇用関係なはずです。

だから漫画家は待遇改善を訴えるなら出版社に伝えましょう。たとえ政府に減税をしてもらったとしても、末端で働く人たちの報酬は増えません。業界による搾取こそ問題にすべきで、インボイス制度の反対運動は、それが分かっていないのです。

 #インボイス制度

 #漫画家のアシスタント