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ブックレビュー「いのっちの手紙」坂口恭平さんによる、こころの病を楽にする方法

日本は「自殺大国」です。「いのちの電話」がほとんど繋がらなくて、成果も無い現状を変えるべく「いのっちの電話」を立ち上げた坂口さん。もう10年になるそうです。これだけの仕事をほぼひとりで継続されているのは驚きです。

坂口さん自身も双極性障害らしいのです。カウンセリングの講習や、精神医学や心理学を本格的に学んだわけでは無いのに、自殺防止に成果を挙げているのは驚異です。それも年間で約一万件も。

坂口さんによれば、いのっちの電話にかけてくる人は、こころの病とは限らないそうです。「安心できるところで一人の時間を過ごして、悪影響与える人から物理的にも金銭的にも離す」「まずは安心できる環境と余計な口出しする人からの隔離」が必要で、これだけでこころの病の多くは解決するそうです。つまり、もともと病気では無いということです。「ただ環境悪いとか窮屈だとか家族がおかしいか会社がおかしいか学校おかしいかで、困ってるだけ」

精神科にかからずに病気かどうかを決めるのも乱暴な気はしますが、非常に納得できることもあります。家族にしろ会社にしろ学校にしろ、場合によっては精神科クリニックも作業所もデイケアも、無理難題を押し付けてきます。酷い環境から逃避することがまずムリなのです。

金銭面もそうです。日本の生活保護は融通が効かない制度です。青年が生活費の心配なく家族から独立できる制度になっていません。何故なら生活保護は世帯単位でしか受給できないからです。

「友達なんかいなくていい、仕事もできなくていい、お金もなくていい、でも楽しいことは忘れたら退屈だし、それをやったら楽しいし、それを継続したら、道になっていくねえと伝えます」生きるためのノウハウだけではなく、現場でメンタル疾患の方をサポートされている人たちにとっても必読書です。

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