「Z世代」は「左翼世代」とは本当か?
渡辺寛人さんや今野晴貴さんはそういうのですが、私は懐疑的です。「Z世代」とは1990年代半ばから2012年生まれの人々だから26歳から9歳(2021年現在)と思われます。物心ついたときからスマートフォンやインターネットに触れているのが特徴です。
さて、何を根拠に彼らを「左翼世代」と呼んでいるのでしょうか。
①バイデンや、サンダース(米民主党)コービン(英労働党)を支持している。
②2018年の調査で、18歳から29歳のアメリカ人で51%が社会主義に肯定的だというデータがある。
③2019年イギリス総選挙で18歳から24歳の62%が労働党に投票した。
④「未来のための金曜日」、「ブラックライブズマター」、「#Me Too」の運動を牽引した。
ひとつずつ検証します。
①バイデンは78歳、サンダースは80歳、コービンは72歳です。若い世代が高齢な政治家を支持することが「左翼」と言えるのでしょうか。むしろ保守的でしょう。
もっとも、フィンランドの首相マリンのように35歳女性のリーダーもいます。これは例外的で、アメリカやイギリスは病的なほど「右傾化」しています。
②アメリカ人の若者の多くが社会主義を支持しているとすれば、アメリカ共産党(知られていないでしょうが)などのマルクス主義政党が勢力を伸ばすと思いますが、そんな話はありません。データに信憑性があるとは思えません。
③イギリス労働党は確かに若い世代を中心に支持を集めています。ただし、労働党は近年衰退しています。現党首スターマー(59歳)の手腕はどうなのでしょう。もっと若いリーダーが望まれます。
④グレタ・トゥーンベリの活躍は特筆モノですが、「Z世代」の活動家はまだまだ表には出ていません。また、グレタも「左翼」とは呼べません。
渡辺さんや今野さんは30代です。彼らがもっと若い世代に期待を寄せるのは心情的に分かります。ただ、日本やアメリカ、イギリスの現実は「右傾化」ですし、これをひっくり返すのは難しいでしょう。
それより、お二方がアメリカやイギリスに関心が極度に強いのは、コンプレックスの現れでしょう。また、日本共産党も支持者が高齢化しているのが現実です。
「Z世代」に期待する以前に、若い人たちの活躍の場を作る必要があります。60代や70代の人がトップの組織を壊さないで、左翼も変革もあり得ません。日本の「左翼」も世代交代を抜きにして「Z世代」から支持をされることはないでしょう。
日本は上意下達で年功序列の社会で、アメリカやイギリスも、おそらく例外ではありません。この国の政治に20代、30代のリーダーが現れることを私も願いますが、正直言って悲観的です。
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