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「生活保護を躊躇せずに利用しよう」となぜ言えないのか

NPO法人POSSE代表の今野晴貴(労働社会学、労使関係論が専門)の「生活保護制度の『抜本的な改革』を『出入り』しやすい制度へ」というYahooニュースを読んだ。日本の生活保護制度に関してネガティブな持論を展開しています。

ここでも生活に困窮すれば生活保護を利用しましょう、というメッセージはありません。「生活困窮の拡大を受け止めることのできる制度は、ほぼ生活保護だけ」と述べ、預貯金、自動車、持ち家があると申請の障害になると言う。そして、イギリス、ドイツ、フランスでは生活保護利用にあたり、資産がある程度認められることに触れた。

今野はわかっていません。生活保護を申請するにあたって最大の障壁となるのは「スティグマ」です。生活保護を利用することが「恥」という感情があり、まだまだ世論でもネガティブなイメージがあるので一歩を踏み出せないのです。

また、ここで欧州の生活保護制度と比べるのもあまり意味はありません。高福祉、高負担の国だからできることは日本では無理難題です。消費税を欧州並みの20%にすれば「抜本的な改革」もできるでしょう。

今、必要なのは現状の制度で貧困を解消することです。生活保護制度には今野の言うようにデメリットも確かにあります。けれども制約があったとしても生活保護で助かる命はあります。生活保護を躊躇することなく利用して下さいとメッセージを送ることが最優先です。「生活保護の抜本的な改革」というのは後回しでも問題はありません。