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3勝8敗!東京地裁、生活保護基準引き下げ訴訟原告勝訴。生活保護を巡る偏見とバッシングを分析します。

「闘うブログ」では生活保護制度について何度も取り上げました。生活保護の受給者はもちろん、医療や年金にお世話になっている方、低賃金で働いている方にも、生活保護基準は関係しています。生活保護制度を守れずに、その他の社会保障が守られるはずもなく、市場原理だけで全ての人の生活が救われることもあり得ないのです。

さて、Yahooニュースで生活保護の報道があると、コメント欄に生活保護バッシングが溢れます。これは単に生活保護制度をよくご存知ではないのが原因の一つです。中には意図的に間違った情報を発信している人もいるのかも知れませんが、いずれにせよ正しい知識を持たずにはまともな議論もできないでしょう。そこで匿名の方のコメントを勝手に引用して、批判を試みます。

①「生活保護受給者は無料で医療を受けている」

医療費は「現物支給」されていますね。「無料」とはニュアンスが少々異なります。ただ、そもそも医療費を支払うことができないことがキッカケで生活保護を受給される方が多く、この制度がなければ医療にかかることができない患者が激増します。なお、厚労省の調べでは生活保護の過誤の医療費は全体の1%程度です。ゼロではありませんがごく少額です。

②「生活保護受給者の生活費をプリペイドカードにして管理をすべき。アメリカのフードスタンプのように」

アメリカのフードスタンプは、生活保護ではなくて、低所得者に配られているものです。アメリカ人の約50%が利用した経験があって、金額としては月額13000円程度です。広く浅く利用されている制度です。また、生活費を管理する必要がなぜあるのかはよくわかりませんが、現金で支給した方が余計な手間が省けるのは言うまでもありません。まあ、何らかの事情で金銭の管理が難しい人にはケースワーカーが指導はしています。

③「外国人には生活保護を支給すべきではない。国へ帰るべき」

コメントの中には「外国人に生活保護を支給する国は存在しない」というデマもありましたが、欧州では移民たちがまずお世話になるのは生活保護です。そう言えば、来日したウクライナ人の生活費も、寄付金か生活保護しかないと思われます。日本語に馴染むまでは就労は困難でしょうから。

④「生活保護が必要かどうか審査をする人を育成すべき」

現在では福祉事務所がその役割を担っていますが、ご存知ないのでしょうか。

⑤「生活保護引き下げが違法かどうかは裁判官ではなく国民が決めるべき」

司法を否定したいらしいです。

⑥「生活保護受給者を施設で集団生活させろ。そこで就労させよう」

21世紀の日本で強制労働施設を作りたいようです。ナチスじゃあるまいし。また、生活保護受給者も働いている方は多いです。就労者がいる生活保護世帯は約12%です。

⑦「何らかの対策を講じないと生活保護によって国は財政破綻する」

社会保障給付費が約130兆円で、その内生活保護費は4兆円弱です。医療は21兆円、年金が55兆円ですね。生活保護が原因で財政破綻は考えられません。

⑧「高級車に乗っている受給者がいる」

そもそも生活保護受給者は車の運転は原則禁止されています。知人の車やレンタカーも運転できません。

⑨「真面目に働いて税金を納めるのがバカバカしい」

仕事を辞めて生活保護を受給すれば良いと思います。結構大変ではないでしょうか。ローンとか組めませんし。日本もなんだかんだ、働ける人が報われている社会だと思いますよ。

 #生活保護