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障害者の生きる権利と貧困と生活の質について樺沢紫苑に問う

精神科医の樺沢紫苑のYouTubeを観ました。「仕事はせずに生きるだけの人生はダメですか?」というタイトルです。樺沢さんは以前から精神疾患の方が障害年金生活保護を受給することに強く反対をしています。理由はこれを受給すると「一生懸命に治そうとする気持ちが無くなる。社会復帰できる人も出来なくなる」からです。思うに、精神疾患は「一生懸命に治そう」しても治らないものです。むしろ逆効果にもなるものだと思うのですが。

さて、今回の動画では樺沢さんのご意見が少し変わっています。53歳の双極性障害の方の「働かずに生きる人生はダメなのでしょうか」という質問に「何十年も治療してきた人の選択肢」として生活保護障害年金で生活をする人生を肯定的に述べています。

いや、この先生は現場をよく知らないのでしょう。なぜなら、働きながら生活保護障害年金を受給されている方は大勢いらっしゃるのです。作業所(就労移行支援)で時給(工賃)100円程度で働いているのです。もちろんこれだけでは生活できないので、親にパラサイトするか、生活保護障害年金でカバーしているのです。多くの障害者は頑張りすぎていて、これこそ問題だと思うのです。

私たちの生活に、作業所で働く障害者は大きく貢献しています。街角で売られる激安のお弁当、コーヒー一杯100円とか150円の喫茶店、有名ブランドのアクセサリーなどは障害者が作っています。それなのに障害者はカツカツの生活しかできません。生活保護障害年金は金額的には充分とは言えず、また、それらを受給することにも高いハードルがあります。もちろん、障害をものともせずに、たくさん稼いでいる方もいらっしゃるでしょうが、残念ながらそれはごく一部の人です。

樺沢さんの考えでは闘病生活が5年10年経ってやむなく生活保護障害年金を受給することは「消極的に」構わないと言っているだけで、障害者の貧困、そして生きる権利を問題にしてはいないのです。

とりわけ精神科医には、樺沢さんのように障害者の「生活の質」を考慮しない方もいらっしゃいます。それをカバーするのが精神保健福祉士なのですが、彼らも質量ともに不足しているのが現状です。

「障害」を持つことが理由で貧困生活を送る人々が、もっと当たり前の生活ができるようにすること。ここにたどり着くのはまだ先の話なのでしょうか。そのためには障害者自らが声をあげることが必要でしょう。

そう言えば、障害者の国会議員が3名いらっしゃいます。大河原さん、木村さん、舩後さん。この方たちはみんなダメです。国会のバリアフリーとか、質疑や採決のデジタル化とか、自分たちのことしか頭にないのです。議員にもなれない貧しい障害者のためには働いていません。今後、変わることに期待はします。

 

 #樺沢紫苑

 #障害者の貧困