自民党議員の小野田希美さんや、経済学者の高橋洋一さんなど、何かにつけて外国人への生活保護を批判する方はいらっしゃいます。確かに現状では、外国人は「国民」ではないため生活保護の適用対象ではありません。ただし、永住者や定住者といった外国人に限って、準用措置による生活保護を利用できるのです。
では、外国人への生活保護は昔からこのような扱いだったのでしょうか。
旧生活保護法は1946年に成立しました。その法には国籍要件がありません。日本人でも外国人でも生活保護が受給できたのです。また、当時の在日韓国朝鮮人は皆日本国籍でした。
そして1950年、現行の生活保護法が施行されました。その法は生活保護の適用対象は日本国民に限ることになりました。とは言え、在日韓国朝鮮人は日本国籍があるため、今まで通り生活保護を受給できたのです。ところが1952年、サンフランシスコ講和条約をきっかけに、在日韓国朝鮮人は一方的に日本国籍を喪失させられます。国籍の選択はできなかったのです。その後日本政府は生活保護制度から外国人の排除を強行します。
1979年、国際人権規約が批准されます。そこでは社会保障権などで国籍による差別は禁止しています。そのため、日本政府は外国人の生活保護に永続的な準用措置を行うことになります。
しかし、1990年の厚労省による口頭指示で外国人への生活保護が制限されます。生活保護の準用は永住者等在留資格のある外国人に限ることになります。もっとも、この指示は口頭によるもので正規の通知ではないため、厳密に守らなければならないモノかは疑問です。
外国人の生活保護が必要とされているのは、貧困や差別が背景にあります。就職が困難で、国民健康保険にも加入出来なかったりします。外国人は生活保護が受給しやすいというのはデマです。そうではなくて、在日韓国朝鮮人は無年金の方が多いため、高齢になると生活保護を利用せざるを得ないのです。
日本の生活保護受給者の内、外国人受給者が占める割合は3.3%です。これに対し、スウェーデンは59.4%、ドイツは37.8%で、日本ではむしろ外国人受給者の割合が少ないのです。どの国でも外国人は貧困に陥りやすいものなので、生活保護を含めた社会保障を提供するのは国家の義務でしょう。
「外国人の生存権保障ガイドブック」を参考にしました。ありがとうございます。
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