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ベーシックインカム批判④本当に「全員」に配るのか?

前回ではベーシックインカム(以下BI)は資本にとって巨大なビジネスになるという話をしました。AI化によって仕事が無くなるわけではなく、専門的な仕事が単調化して「係員」にとって変われること。その上でBIが配られると、そのぶん賃下げがなされるだろうということ、が要約です。

今回はBIは本当に「全員」に配られるのか、という問題です。BI論者の誰もが一切触れない重要なテーマです。

日本には在日外国人が約300万人います。彼らにBIは配られるのでしょうか。残念なことに日本人は彼らを排除したがる傾向があります。例えば生活保護も在日には支給するな、日本から出て行けと切り捨てようとします。

また、受刑者など収容されている人はどうでしょう。約5万人いますが彼らも同じように排除するでしょう。また、前科のある人はどうするのでしょうか。

技能実習生や移民、難民はどうでしょうか。全員というからには配るのが当然でしょう。けれども世論はそれをおそらく許しはしません。

だから国内でBIがもらえる人、もらえない人に二分されます。それでもいいじゃないか、と言われるでしょうが、理念と現実が一致しないのでは政策として正しいとは言えません。

また、BIは国家から配られるのだから、我々は国家に必要以上に服従することになります。何かの時に国家権力が暴走しても、国民は抵抗ができなくなるでしょう。歯向かうとBIの支給リストから除外されるわけです。

だから、BIが文字通りに全員に配られることはあり得ないのです。BIによって日本がユートピアになるどころか、国家統制の強いディストピアとなる危険もあるのです。