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警官がアフリカ系少年を銃殺。暴動は正当なのか。マクロン大統領が詫びることが唯一の解決の道

警官が17歳の少年を銃殺した事件がフランスでありました。今のところの情報では、その殺害行為は不当かつ卑劣な行為としか思えません。そのため(少年と同じ)アフリカ系の移民少年が国中で暴動を起こしています。それは2005年のパリ郊外での暴動と背景が似ています。そのときも警察に職務質問をされた移民系の少年が変電所に逃げ込み、誤って感電死をした事件がきっかけだったのです。今回の警官による銃殺事件はもっと悪質なものです。

さて、その暴動は正当なものでしょうか。まず確認すべきは、これはあくまでも対物のものであり、対人の暴力は控えていることです。事実、事件のあった2023年6月27日から(このブログを執筆している)7月3日までは犠牲者は出ていません。自動車やゴミ箱に放火はしても、一般市民を襲撃したというわけでは無いのです。

この暴動は単に人種差別や移民との対立が原因のものとは言えません。2005年の暴動と同じく警官への「抗議活動」です。日本人の感覚では乱暴すぎると思うでしょう。しかし今回の暴動もまた、リーダーもアジテーターもいない、非組織的なものです。そうでなければ、もっと政治的なアピールがあっていいはずです。

フランスは包括的な国です。アメリカのような剥き出しの人種差別があるのではなく、人種や宗教においては普遍的な平等主義のある国です。だから「フランスが嫌いならアフリカに帰れ」などという排他的なことを言うフランス人はごくわずかなはずです。(そういう意味では日本人のほうが人種差別的)

このような暴力が物事を解決するとは私も思いません。しかし、同胞を殺された若者たちが暴れ回ることには、少しは理解できます。日本のSNSでは移民たちへの同情の声は無く、逆にフランスの移民政策の限界を指摘する声がほとんどです。しかしフランスはきっと平穏を取り戻すと私は信じています。この暴動ではあくまでも警察の横暴を批判しているだけです。「黄色いベスト運動」のように抗議が長期化することもないでしょう。望むことは、マクロン大統領が早くメッセージを発して警官による殺害事件を詫びることです。それが解決に向かう唯一の道です。日本のメディアやSNSでの人種差別的な声のほうが私は恐ろしいのです。

 #フランス暴動