日本国憲法第9条を全文掲載します。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
ところが、ウクライナ戦争に乗じて、共産党の山下芳生が9条を真っ向否定するようなツイートをしていました。
「憲法9条は、無抵抗主義ではありません。9条のもとでも個別的自衛権は存在します。日本共産党は、いますぐ自衛隊をなくそうなどとは考えていません。万が一、『急迫不正』の侵略を受けたら、自衛隊もふくめて、あらゆる手段をもちいて命を守ります。国の主権と独立を守るのは、政治の当然の責務です」
まず、「無抵抗主義」という言葉は語弊があります。というのは、権力や暴力などに一切抵抗しないという意味ではなくて、非暴力で抵抗する主義だと私は理解しています。だから「非暴力主義」のほうが適切な表現です。
しかし、山下さんはその非暴力を否定しています。「自衛隊もふくめて、あらゆる手段をもちいて命を守ります」と明言もしていて、それは9条の「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」を事実上否定しているのです。「あらゆる手段」って武力の行使も含まれているとしか理解できません。ついこの間まで「憲法は宝」だと言っていたのにも関わらず。
私は憲法改正は議論すべきですが、第9条は死守しようという立場です。何故なら、日本は戦争に負けたからです。無謀な戦争によって敵味方の非戦闘員含めた多数の人が殺されたからです。沖縄戦では、旧日本軍は住民を見捨てたことを忘れてはなりません。軍隊は民衆を守らないのです。
だから自衛隊もまた「憲法違反」であり、憲法上は何があろうと「武力の行使」は否定するべきです。綺麗事に思われるでしょうが、9条の理念として自衛隊は縮小、廃止を目指すという選択肢もあっていいでしょう。旧社会党の非武装中立がそうでした。
悲惨な戦争をどうやって防ぐのかをロクに議論せず、自衛隊(軍隊)が国民を守ると短絡的に考えることは何の役にも立ちません。すでに形骸化されている9条の再評価こそ必要です。自民党から共産党まで(自衛の)戦争を容認していることは悪夢です。武力以外のことで国際紛争を解決する国に、日本は変われるはずです。
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